季節の話題より
12月2日 東御市中央公民館の生涯学習市民大学講座において
日本気象協会の富沢勝さんが講師として招かれ「最近の気象災害から地球温暖化防止を考える」
という演題で講演されました。
ビデオ・パワーポイントなどの資料から最近の竜巻、岡谷の災害、台風災害等について分かりやすく解説していただき、
なるほどと感心しました。
講演開始前と講演後に富沢さんとお話が出来てとても充実した一日が過ごせました。
(東御市中央公民館 12月 2日)
とても寒くなり、いつ頃スタットレスタイヤに履き替えたらいいのか?が話題になる今日この頃です。
気象庁が11月22日に発表した東日本の3ヶ月予報によると、
この冬は、気温は高く、降水量は日本海側が少なく、太平洋側は多くなる確率が高いとのことです。
太平洋のペルー沖で海水温が上がるエルニーニョ現象が続くことにより、
日本付近では「西高東低」の冬型の気圧配置があまり強まらないために、暖冬傾向となります。
つまり、この冬の雪は※「シモ雪」は少なく、春先に多いドカ雪の「カミ雪」が多くなりそうですね?
最近、講演会が続き、土日は資料作りでほとんど潰れてしまいました。
その中の「信濃教育会 第8回 共生フォーラム2006」が松本で開催され参加してきました。
学校の先生が中心になり学校以外の学びの場として、7つの分科会が設けられ、
その1つの分科会で私はお天気や星の話・理科実験などを行ない楽しんできました。
そのフォーラム前日の歓迎会で私の隣りにいた方が、松本市出身の映画監督の山崎貴さんでした。
(話題作に「ALWAYS三丁目の夕日」があります。)
何故か映画の話より、NHKの少年ドラマシリーズのタイムトラベラーなどSFドラマに話の花が咲きました。
因みに監督はフォーラム全体会のトークタイムに招待されました。
(監督の小学校時代の恩師に呼ばれたとのことでした。)
「ALWAYS三丁目の夕日」が12月1日(金) 金曜ロードショーで放送される予定で、楽しみにしています。
※「シモ雪」・・・冬型の気圧配置が強まると日本海側が大雪となり、千曲川下流方向から来る雪、
「カミ雪」・・・冬型の気圧配置が弱まり、低気圧が太平洋側を東進して雪となる、千曲川上流方向から来る雪で
ともに長野の方言。
(信州民報 12月 1日付け)
ようやく夏の暑さから開放され「暑さ寒さも彼岸まで」と言える季節になりました。
彼岸(ひがん)とは雑節(ざっせつ)の一つで、
春分(3月21日頃)・秋分(9月23日頃)を中日とし、前後各3日を合わせた7日間の事を言います。
この7日間の上田の平均気温を見ますと、春の彼岸が4.8℃、秋の彼岸が18.1℃になり、気温差は13℃もあります。
春は気温が低く寒いはずですが暖かさを感じ、気温が高い秋の方が肌寒く感じるのは、
それまでの寒暖に対する感覚の慣れがあります。
更に暖かさに向かう季節と、寒さに向かう季節での心理的な感覚も無視できないと思います。
春と秋の気温が同じになるのはいつ頃か?
と調べたところ4月22日と10月22日で、約13℃になりました。(ここ10年間の統計より)
さすがにここまで来ると4月22日は暖かく、10月22日は寒いと感じます。
(信州民報 9月 22日付け)
毎日天気が良く、暑い日が続きます。
自宅にある百葉箱の置針式温度計で最高気温を記録していますが、どんなに暑い日でも34~35℃止まりです。
太陽の熱エネルギーがどんどん蓄積され、もっと気温が高くなっても不思議ではないと思いますが、これ以上にはなりません。
地球上では暑くても50℃、寒くても-30℃位で、人類が生存できる範囲に気温が分布しています。
これは空気と水(雲・海水)のおかげで、全体の気温が平均化されるように働いているからです。
太陽熱が地球と同じくらい届いているのに空気がない月では昼の気温が120℃、夜の気温が-170℃にもなります。
また、大気のほとんどが二酸化炭素(CO2)の金星は470℃と灼熱のような暑さで人類が住めるような環境にありません。
・・・ホント地球で良かったと思いますが、近年CO2の増加が気になります。
さて、甲子園2回戦の第4試合で、松代 対 八重山商工、3回表2アウト 二、三塁で松代の押せ押せムードを断ち切ったのが突然の「雷雨」。
この雷雨は夏特有の「夕立」で、天気の良い夏の午後から夕方にかけて、入道雲によってもたらされます。
突然起こる強い雨で、雷を伴うことが多く、炎天下地表面が暖められ上昇気流と共に発生することから「熱雷」と言われています。
試合は3対5で残念な結果となりましたが、2回戦に進められた事が久々のヒットでした。
惑星・衛星 |
表面温度(℃) |
水星 |
-160 ~ 400 |
金星 |
470 |
地球 |
-40 ~ 50 |
月(衛星) |
-170 ~ 120 |
火星 |
-136 ~ 25 |
木星 |
-130 |
土星 |
-180 |
天王星 |
-220 |
海王星 |
-220 |
冥王星 |
-230 |
(信州民報 8月19日 付け)
梅雨のお天気解説で「湿舌(しつぜつ)が入り込み・・・」等の表現がされていますが、
湿舌とは、上空約1500mに暖かく湿った空気が広範囲に舌状に(帯状)のびている空気のことをいいます。
梅雨の時期に、中国大陸や東シナ海方面から日本列島上に湿舌が存在すると、大雨になります。
今回の長野県を含め各県に多大な被害をもたらした梅雨の大雨も、停滞した前線に暖かく湿った湿舌が流れ込み、
幾日も雨が続き地盤が緩み土石流や河川の氾濫が発生しました。
長野気象台では「少なくともここ20年間にはない記録的な雨量」と発表しています。
土石流被害の発生した岡谷市近くの諏訪の降水量は5日間で391.5mm。
中小河川や道路などが決壊した上田は221mmを記録し、これは年間降水量の1/4に当ります。
平年ですと7月20日位に梅雨明けとなりますが、この様子ですと一週間ぐらい延びそうです。
危険と思われる場所には近寄らず、自分の身は自分で守りましょう。
さて、この長雨で予定が遅れている高校野球。
東信地区では上田千曲、上田、佐久長聖が健闘しています。
選手のみなさんは順延続きで大変ですが、今後の展開を楽しみにしています。
(信州民報 7月 22日付け)
世界の中で「雨の国」と呼ばれるほど日本は降水量が多く、
世界の年間降水量の平均、880mmに対し、日本はその約2倍に当たる1700mmに達します。
今時分の梅雨、夏から秋にかけて発生する台風、冬季の北西季節風による降雪が主な降水源です。
ちなみに上田は全国平均の半分と降水量は少なく、世界平均と同等です。
梅雨はオホーツク海高気圧と太平洋高気圧の境界に前線が出来て雨を降らせます。
最近、九州北部で豪雨による被害が発生しましたが、
これは、※南西モンスーンによる湿った空気が流れ込み、
梅雨前線を更に活発化させ、集中豪雨を引き起こした結果です。
その時の熊本の降水量を見ると5日間で500mm、
更に1時間30mm以上が4回あり、そのうち50mm以上が1回あります。
上田の年間降水量の6割が5日間の間に降ってしまうので地滑りが起きても不思議ではありません。
東日本の1ヵ月予報では、梅雨後半の雨量は今より若干増え、気候は暑くなる予想です。
梅雨と共にヒートアップしているのがドイツのワールドカップ、日本は残念な結果でしたが優勝するのはどこの国かが楽しみです。
※南西モンスーン:夏と共にインド洋からの南西から吹いてくる季節風、暖かく湿った空気。
(信州民報 7月 4日付け)
7月2日(日)と9日(日)の上田ケーブルテレビの1chサポーター通信に
「気分は上々海釣り仲間信州黒王会」が放送予定です。
直江津港で釣りを楽しむ仲間の様子を表現した作品で、
撮影・レポート・編集・を自分なりに行いました。
作品として見るとまだまだ不十分なところがありますが
自分としては頑張ったつもりです。
見ていただけたら幸いです。
|
梅雨入り |
梅雨入り |
梅雨明け |
|
今年 |
平年 |
平年 |
沖縄 |
5月14日 |
5月8日頃 |
6月23日頃 |
奄美 |
5月13日 |
5月10日頃 |
6月28日頃 |
関東甲信越 |
|
6月8日頃 |
7月20日頃 |
鹿児島地方気象台は13日に奄美地方が、
沖縄気象台は14日に沖縄地方が梅雨入りしたとみられると発表しました。
通常、沖縄から奄美そして九州へと梅雨前線が北上し梅雨となりますが、今年は沖縄より奄美が先を越しました。
気になるのは、長野の梅雨入りはいつ頃になるかということですが、5月の天候を振り返ると雨や曇り空が多く、
気温も低く、すでに梅雨のような空模様が多いです。
私の地域では毎年5月に地区の懇談会が開催され、慰労会ではアカシヤの花の天ぷらが出されることが恒例となっていますが、
今年は低温の影響で開花が遅れ、アカシヤの花の天ぷらは出されませんでした。
気象庁の向こう1ヵ月間の気温・降水量・日照時間は共に平年並みか低いと予想され、農作物に影響が出ないか心配です。
五月雨を あつめてはやし 最上川 (芭蕉)
この俳句は、梅雨時に増水した最上川を歌ったものです。
旧暦の5月は新暦の6月半ばになりちょうど梅雨の頃になります。
そして旧暦の6月は「水無月(みなづき)」。
これは、梅雨明け後の新暦7月ころの日照りに由来します。
「雨の多い6月がなぜ『水の無い月』なの?」という疑問はスッキリ解決できます。
「五月晴れ(さつきばれ)」とは、梅雨時にはめずらしい晴天のことを言ったのです。
(つまり5月での晴れを言ったものではありません・・・これがホントです。しかし時流に流され5月の晴れも言うようになりました)
(信州民報 5月23日付け)
春 山 淡冶(たんや)にして笑ふが如く
夏 山 蒼翠(そうすい)として滴(したた)るが如く
秋 山 明浄(めいじょう)にして粧(よそお)ふが如く
冬 山 惨淡(さんたん)として眠るが如し
春の山は淡くつややかに笑っているかのよう、夏の山は青々とし梅雨で滴るよう、秋の山は清らかに澄み紅葉が粧いを添えるよう、冬の山はわびしいようにたたずみ眠っているようだ。
(郭熙(かくき)、
中国北宋で11世紀に活躍した山水画家 : 山水訓より)
春は「山笑う」、夏は「山滴る」、秋は「山粧う」、冬は「山眠る」と 四季折々山の姿を表現した言葉です。
この時期、芽吹きの季節を山笑うといわれ、柔らか味のある黄緑色の木々や植物の若葉が咲き始め、
活き活きと生気が満ち渡る様子を表わしています。
この淡いパステルカラーの新緑がとても素敵で、いつまで眺めていても飽きません。
しかし、新緑の時期は短く、あっと言う間に濃い緑に山全体が変わります。
新緑も桜も虹もあっと言う間に無くなってしまうから価値があるのでしょう。
春は黄砂や霞の影響で青空になる日が少なくなりますが、雨の後の澄んだ青空の下、ゆっくり山を眺めるのも趣があります。
私が新緑の美しさを初めて実感したのは高校1年生の時でした。
担任が何気に言った「窓から見える御牧ヶ原の木々が一斉に芽吹き、山が急激に膨らむんだ!」がきっかけでした。
(信州民報 4月26日付け)
先日、東京小平市の「玉川上水」の散策道を歩いていたところ、山吹と思われる黄色い花を見つけました。
花の見分けに自信がなかったので、近くを通りかかった年配の女性に尋ねたところ「山吹ですよ」、
そして『七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに 無きぞ悲しき』と歌ってくれました。
・・・タカ狩りをして雨にあった道灌が農家の娘に蓑(みの)を貸してほしいと頼むが、その古歌を歌われ山吹の花を差し出される、
意味が分からず家臣から「実の」と「蓑」が懸けられているのだと教えられ、
無学を恥じ歌道に精進するようになった。・・・
当日はシトシト雨でまさにこの歌がピッタリの情景でした。
そしてカミさんと二人で感動的な式と講演などを聞いた後だったので、更に感慨深い山吹の花となりました。
【太田道灌(1432-1486)は江戸城、川越城など築城。
山吹の花は八重と一重(写真)があって、一重の山吹は実がなるが八重には実が付きません。
古歌の山吹の花は八重だったのでしょう。
そして雨は、道灌が蓑を用意してなかったことから、
この時期にある「菜種梅雨」(なたねづゆ:菜の花が咲く頃に降り続く雨)
ではなく、突発性の移動性低気圧による雨と思われます。】
(信州民報 4月13日付け)
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